小さな会社のための、気軽に相談できる横浜の税理士

当赤沼公認会計士税理士事務所Ｑ－ＴＡＸ横浜きた東口店には、税理士合格を目指して税理士試験の勉強をしている数名の職員がいます。

先日、この3か月間に読んだ本で何が面白かったかと訊いたところ、一冊も読んでないという答えに驚きました。

確かに12月から3月までは確定申告等があって全国的に税理士事務所の繁忙期ですから、業務と税理士試験の勉強だけで精一杯で、他に読書などとても無理だと言うのもわからないでもありません。

でもよくよく聞くと、この繁忙期に限らず、今は税理士試験だけに集中するために、読書は一切控えているとのことでした。

そこで言ってあげました。

「君だったら4年か5年後には間違いなく税理士試験に合格して、立派に税理士になれると思う。

ただせっかく税理士になっても、その時には、国家試験で公認されただけの税務の専門知識を知っているだけで、お客様のお役に立てられるようにその専門知識を活用して、きちんと一つ一つの仕事を完了させてお客様に喜んで報酬を支払ってもらい、お客様と良い関係を続けられるようにするのに必要なことが十分に身についているとは限らないよ。

実務がよくできる税理士というのは、自分が身に付けた専門知識を今目の前のいるお客様の状況・希望に合わせて、適切に取捨選択し、上手に組み合わせ、丁度良い加減の提供の仕方をすることができる。

これは料理と同じで、お客様の好き嫌いがわかり、お客様の今考えていること、感じている思いに敏感になり、今自分が持っている食材のうちどれをどのように調理してどういう順番で召し上がっていただくと一番喜んでもらえるかを考えて実行できるということ。

決して自分のおすすめの食材と得意料理を出しさえすれば、どんな人でも満足すること間違いなしと考えるとのは正反対。

税理士試験に受かってしまうと、自分は素人と違ってすごい専門知識を持っているという思いになり、これを使わなければもったいない、

せっかくあれだけ大変な時間と労力をつぎ込んできたのだから、と思うもの。

このような思いが強くなってしまうと、お客様を馬鹿にするなど、お客様や自分の得意分野以外のことを否定したくなってしまう。

そして他人の気持ちや状況を捉える感度センサーが鈍くなってしまう。

少しでもそれを防ぐには、税理士になってしまう前から、このことを意識して自分を磨き続ける必要がある。

その手段が、日々の仕事を通じて多くの人と触れ合うことと、一人でいるときにはいろいろな分野の読書をすることに限る。」

読書の効用は100冊読んだら100磨かれて、10冊読んだら10磨かれるというような単純明快なものではありません。

10冊読んだだけで100磨かれる人もいれば、100冊読んでもゼロという人もいるかもしれません。

でも100冊目まではゼロでも101冊目で100になる人もいるかもしれません。

これだけは言えますが、1冊も読まなければ、読んでいれば得たはずの成長はゼロです。

だから無駄だと思わずにコツコツ読書を通じて自分磨きをしてほしいと訴えました。

すぐには違いは見えませんが、10年後20年度に大きな違いが見えて来ます。

しかしその時に気づいても追いつくのは至難の業です。